築100年以上の古民家の改修工事
日本の古民家には魅力が詰まっています。新たに古民家を購入し、改修して再び利用することも珍しくありません。
今回依頼してくださったK様は、古民家の持つ歴史的・文化的な価値に魅せられ、理想の古民家を求めて、何年も日本中を探してきたといいます。
そんな中やっと出会えたのは、富山県射水市にある築100年以上の古民家でした。

巨大な梁が何層にも積み重なった伝統工法「わくのうち工法」でつくられた吹抜けは圧巻です。
問題は、長年放置されていたため所々に傷みや激しい劣化があり、このままでは住むことが難しいということ。
K様の熱意に応えるべく、福家の挑戦が始まりました。
床組が腐って落ちそうになっていた部屋は床を撤去し土間にしました。


元々あった敷台をリメイクして縁にしました。



重要な柱の柱脚は基礎も造り直しました。


玄関からしばらく土間が続きます。


壊して土間にした部屋には囲炉裏がありました。
今、土間にはレトロな薪ストーブがあります。

こちらは工事の様子。
敷地内に井戸が7つありました。



水回りの様子。




トイレとシャワールームの様子。


台所の様子。台所から廊下に続く板張りは、元々の材木を磨いて活用しています。
奥手に見える窓の格子も、今ではもう作られていない貴重なものです。




わくのうちは敢えてそのまま残し、梁を磨いてライトアップしました。


簀戸から透けて見えるわくのうちの景色には風情があります。
日本では夏場になると、板戸や障子戸を風通しのいい簀戸に入れ替えて、暑さを乗り越えてきました。
昔の人々の生活の知恵を感じられる場所でもあります。

他にも歴史的なものが沢山ありました。
こちらは100年前の分電盤


レトロな照明
これも100年以上前のものです。

改修工事をしながら伝統に触れることができて勉強になりました。
昔の趣を残しながら、これからここを利用する方にとって居心地のいい空間を目指して施工しました。
築100年以上の古民家でしたが、K様とともにこれからもその歴史を紡いでいけることを願っています。
K様、ありがとうございました!